林業の本 [彩の自然と遊ぶ会]
林業の本で以前ご紹介したシリーズの一冊です。
その他は、
②木を使う・木に親しむ
③森にくらす森を守る
④森の環境・森の生きもの
です。
内容は、苗木をつくり植え、下草刈り、枝打ち、間伐までの作業や道具、森を育てるためのさまざまなくふうの説明です。
日本の国土の1割以上が人工林なんですね。日本をこれからどうするのか、人工林への対応も重要なポイントだと思いました。
また、林業家には「鳥の目になって森を見、虫の目になって木を見る」という言葉が伝わっているというのが印象に残りました。
林業家の栗原智司さんは、「確実に続けていくこと」「いつも森の様子をみること」が林業にとって大切だと考えていらっしゃいます。
そうして、森の声を良く聞くことで、森が「間伐してくれ」、木が「枝打ちしてくれ」と話しかけてくるとのことです。極めてますね。
それから、木材を利用することが、森や自然のバランスをとってくれるそうで、昔は、これができていたそうですが、これから必要なことかもしれませんね。
以降に各項目の感想や内容を列記します。
○苗木づくり
実生苗とさし穂苗づくりの2種類があります。
○地ごしらえと植えつけ
急斜面だと大変な作業だと思いました。
○下草狩り
植えてから5~8年の間、年に1,2回行ないます。
作業は大変ですが、刈った草はそのままにしておくと雑草が生えにくくなったり、腐って肥料にもなるので、非常に効果があるんですね。
○枝打ち
切り口が成長と共に中に取り込まれるから、節のない柱を作ることがでます。
日が差し込むようになって環境が良くなる、害虫の被害を防ぐ、見通しがよくなって作業効率が向上するなどの効果があるんですね。
○間伐・除伐
木の生長を良くするために行ないます。
日が差し込むようになって環境が良くなるそうです。
手間を掛けない間伐「巻きがらし間伐」、「列状間伐」があって、問題はあるそうですが、やらないよりはましだと思いました。
○間伐材をいかす
木材として売る「収入間伐」が理想ですね。
間伐紙、おもちゃ、階段・柵、ペットのトイレ、舗装、ログハウス、土木構造物など色々と使い道があります。
新しいエネルギー源として「バイオマス燃料」が注目です。新しいというか、昔は木が燃料でしたね。
○山の神への祈り
森林はめぐみを与えてくれるが、めぐみを得る仕事は命を落としかねない危険がともなうから、仕事の節目にお祭りをして感謝しているそうです。
今はほとんどの仕事が安全ですから、こうして何かに感謝したりとかしなくなりましたね。
○木を植える場所
地域と山の位置に合った木を植えること「適地適木」が大事です。「谷スギ、尾根マツ、中ヒノキ」という呼び方もあるそうです。
同じ樹種でも育った地域の品種(埼玉なら埼玉のDNA)が育ちがいいんですね。
○害虫から森を守る
日頃からよく手入れをすることが一番のようです。
○獣害から森を守る
ビニール製品を巻き付ける、忌避剤をぬる、ネットで囲む、捕獲するという方法があります。
でも、多様な森林保護をして山に動物の食料を確保するのが一番だと思いました。
○自然災害から森を守る
風害・雪害・山地災害があります。場所による樹種の選定と枝打ち、除伐・間伐を工夫して行なうということが防止につながります。
山地災害にまで発展するので、きわめて重要なお話ですね。
森林は無限に使える「循環資源」なので、化石資源が無くなる前の今から計画して整備しておく必要がありますね。とにかく、山に入らないと話にならないというのが難しい所でしょうか。
すみません、この記事、見落としていましたm(__)m
林業の本をご紹介していただいているのに・・・。
木材を利用することが自然のバランスをとる。。。そうかもしれませんね。
花粉症も、間伐をしなくなったのがひとつの要因だとも言われています。
森を守ることが、人の健康をも維持することになるのかもしれません。
by 夢空 (2008-05-13 21:05)
夢空 san
花粉症の原因はもちろん花粉の飛散なのですが、根本の原因は大気汚染という話もちらほら。
大気汚染は最近聞きませんが、木を燃やす分にはでないわけですよね。
nice!&コメント ありがとうございます。
by こう (2008-05-14 01:20)